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五感を育てる教育法とは?幼児期に身につけておきたい習慣と親の関わり方

五感を育てる教育法とは?幼児期に身につけておきたい習慣と親の関わり方

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五感を育てる教育法とは?幼児期に身につけておきたい習慣と親の関わり方

ひと昔前の幼児教育では、知識のインプットを意識することがスタンダードでした。しかし現代の幼児教育においては、知識を詰め込むだけでなく感じて・考えて・行動する力、つまり自発性を育てることが重要視される傾向があります。

そうは言っても、自発性とはどのようにして身につければ良いのでしょう。
もちろんさまざまな方法がありますが、幼児期に五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)を活かした教育法を取り入れていくことは、子どもが自ら学ぶ姿勢を引き出す鍵となるため、とても重要です。
本記事では五感を取り入れた教育の重要性と、親が実践できるサポート方法について解説いたします。


幼児期に身につけたいのは「学びの楽しさ」を知ること


幼児期は学びに向き合うためのスタートライン。「学びの土台」を形成するのに非常に大切な時期です。

この時期に意識したいのは、お子様に「新しいことを知るのは楽しい」と思ってもらうこと。幼児期は特に「楽しく夢中で取り組めること」がとても大切な要素となります。“無理やり勉強をさせる”のではなく、「もっとやりたい」「もっと学びたい」と感じてもらえるような習慣づけを心がけてみてください。お子様に「学ぶことの楽しさ」を知ってもらうことが、この時期の第一目標です。
毎日の遊びの中にちょっとした観察、比較、工夫の要素を入れることで、五感や自主性、集中力などが育っていきますので、ぜひそのあたりも意識してみてください。

「感じて・考えて・動かす」体験の積み重ねが脳の発達に直結する

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指先を使った細かい作業は、脳の発達と密接に関係しています。
とくに五感(視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚)に加えて「指先」を使う遊びは、脳を活性化し、集中力、創造力、自己表現力など多くの力をバランスよく育てるのに効果的です。

以下に、「五感と指先」を掛け合わせた学習例をご紹介します。

1、視覚×指先

視覚と指先を掛け合わせる遊びとはつまり、色や形に注目する遊びのことです。

『お絵描き・塗り絵・ステンシル』などの遊びでは、鉛筆やクレヨンを使い、色を選びながら「どんな色を使う?」「どんな形にする?」と悩むことで、視覚的判断力が養われます。

『モザイクパズル・シール貼り』などの遊びは、小さなパーツをつまむ動作が指先の巧緻性を高めてくれます。また、模様や配置を考えながら置く(貼る)ことで、目と指の協応力も一緒に育てることができます。

2、触覚×指先

素材の感触を楽しむ遊びでは、触覚を育むことができます。

『スライムや小麦粉粘土などでの粘土遊び』は、触覚を大いに刺激します。また、つまむ・丸める・ちぎる・伸ばすなど、多様な指の動きが促されるので、脳への良い刺激となります。

『フェルト・布・紙のちぎり絵』といった遊びは、ざらざら・つるつる・ふわふわ・など異なる質感を指先で体感できるので、触覚をダイレクトに刺激します。また、木などの自然素材の積み木も触覚を刺激するのにぴったりです。

3、聴覚×指先

音を感じながら動く遊びは、聴覚を育てるのに役立ちます。

『手遊び歌・リズム遊び』はリズムに合わせて指先を動かす必要がある、少し複雑な遊びです。ただ、音に合わせて動きをコントロールすることで、音感やリズム感、集中力を伸ばすことができるでしょう。

『絵本の読み聞かせ』では、聴覚記憶を鍛えることができます。聴覚刺激が蓄積されていくことで、語彙力や言語能力も高くなると言われています。

4、嗅覚×指先

香りを感じながら指先も一緒に動かすことで、嗅覚を伸ばします。

『においの嗅ぎ分け』は日常的に取り入れやすい学びです。スーパーで買ってきた野菜や果物を冷蔵庫にしまう前に匂いを嗅いだり、あるいは外に出て花や草、季節、天気の匂いを嗅ぐのも良いでしょう。

『アロマスプレー・香り付き粘土・ハーブ袋作り』などでは、ラベンダーやミント、オレンジなどの香りを嗅ぎ分けるだけでなく、指先を使って香料を混ぜたり、布に詰める動きも合わさるので脳への刺激として効果的です。

5、味覚×指先

味覚と指先を使う遊びでは、食べながら楽しむことができます。

『おやつ作り』では、食材をこねる、にぎる、型におすなど、指先をたくさん動かします。このあたりは食育にも結びつけられそうですね。作ったものを実際に食べることで、味覚と達成感、五感が同時に刺激されます。

これらの遊びは集中力も養えるため、学習への耐性も高めることができます。「学びの習慣」というと少し難しく感じてしまいますが、あくまでも幼児期ですので、そこまで大層なものではなくて良いのです。
私たち大人にとっては“遊び”と認識するような物事でも、幼児期の子どもにとっては貴重な“学び”となります。

集中力を高めるための工夫を取り入れていく

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子どもの集中力が続く時間はとても短く、幼児(未就学児)の集中力は一般的に「年齢+1分」と言われています。ただし常にこれだけの集中力があるわけではなく、環境によっては「年齢+1分」よりも大幅に短くなることもあります。

五感を活かした学習は、幼児期にとても大切なものです。しかし、「一日中とにかく五感を刺激し続ければよい」というわけではありません。五感を過剰に刺激し続けることで、逆にお子様の集中力を乱してしまう可能性もあるということですね。

特に視覚や聴覚が過剰に刺激されると集中力が途切れやすくなってしまうので、ちょうどいい塩梅で調整していくことを心がけてみてください。一例として、視覚と聴覚をコントロールするための方法をご紹介します。

1、視覚情報を抑えたい

目の前に出すおもちゃや学習道具はそのときに必要なぶん(使うぶん)だけ出すようにしてみてください。視覚から入る情報量を制限するだけでも、集中力アップ効果が期待できます。
あるいは、おもちゃの色彩を制限することで視覚情報を抑えるという方法もあります。

2、聴覚情報を抑えたい

なにかに集中したいときは、テレビや音楽をオフにしておきましょう。
音楽をかけたい場合は、ヒーリングミュージック系の静かなBGMや水や風、鳥のさえずりなどの自然音がおすすめです。

お子様の性格などによって、効果を実感できる方法は異なります。まずは方法を探る際の参考としてぜひ活用してみてください。

「自主的に考える力を育てる」ための親の関わり方とは

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「なんでこうなるのかな?」「どう思う?」というような問いかけを通して、子ども自身に考えさせることで、自主的に考える力を育てることができます。五感を通じて得た経験が思考のきっかけになるのです。

たとえば、料理中の「このにおい、なにに似ている?」という質問は、嗅覚を刺激するのに役立ちます。散歩中の「なんの音が聞こえる?」という質問は聴覚に意識を向けるのにぴったりです。絵本を読みながら「次はどうなると思う?」と質問をすれば、想像力を養うことができます。日常の会話の中に、五感を意識する質問を織り交ぜることで、経験がより濃いものとして定着していくことでしょう。
その際、お子様の発言にはしっかりと耳を傾けるようにしてください。「自分の考えが認められている」という安心感が芽生え、自主性が育ちます。

家庭では補いきれない分野は幼児教室を活用するのもベター

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家庭でできる教育サポートには、どうしても限界があります。そこを補うのに適しているのが幼児教室です。
幼児教室とは、単に早期教育を行う場ではありません。それよりも「心・知・体」のバランスを育てる場と表現する方が的確かもしれません。
幼児教室は「今できること」を増やし、家庭だけでは得にくい多角的な成長を後押しするのに役立ちます。たとえば幼児教室で行うブロック遊びや工作、運動などは出先の発達や身体感覚の統合に結びつきますし、継続的にレッスンを受けることで集中力や指示を聞く力も身につきます。
また、他の子どもたちと一緒に活動するなど家庭では経験できない他者との関わりを通じて、社会性や思いやりの心、集団生活に必要なスキルを身につけることもできます。

さらに年齢に応じた教材やプログラムを通して、数や文字、図形や音楽など幅広い分野に触れることができるなど、幼児教室には知的好奇心を育てる環境が整っています。
そのどれもを遊び感覚で学べるため、自然と「学びの楽しさ」を知ることができるようになります。要するに、知的好奇心の芽が育ちやすくなるということですね。

中でも少人数制指導や個別指導では、子ども一人ひとりの個性や発達段階に合わせたサポートが得られるため、子どもの個性を大切にしながら成長を促すことができます。
大勢で協力して何かを成し遂げるという経験はできませんが、人数が少ないことで教師や指導者が一人ひとりの反応や感情に気づきやすくなり、その子の「感覚」を尊重したアプローチを行いやすくなるというメリットがあります。どちらが良いかは、お子様の性格や各ご家庭の教育方針に合わせて決めていただければと思います。

成功と失敗のバランスが成長の鍵に

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五感を使った遊びは、成功だけでなく失敗も体感として残ります。
成功体験は「やればできる」という自信になりますし、失敗体験は「なぜうまくいかなかったのか」を考える力となります。思い通りにならなかったという感情の揺れが、成長の糧となるのです。
五感を使った体験は感情が伴うため、記憶にも深く残り、学びの定着にもつながります。またこのとき、成功・失敗ともに、親が共感的に受け止め言葉にして伝えることも大切です。これにより子ども自身が感情を整理できるようになります。

五感を生かした教育法が子どもの未来をつくる

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親の関わり方や学習環境の整備などは、日常の中で実践できることもたくさんあります。その中で、どうしてもサポートやフォローが行き届かないところは幼児教室に任せてしまうのが良いでしょう。

単なる知識の詰め込みではなく、五感を意識した教育を取り入れることで、「自分で感じ、自分で考え、自主的に行動する」力が身についていきます。小さな五感の刺激の積み重ねが、大きな可能性の芽を育てるのです。

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